【果樹】収穫適期の見える化技術の開発
今年度、園芸科学科では公益財団法人福島県学術教育振興財団の助成を受け、「果樹栽培における収穫適期のみえる化技術の開発」と題した研究を行いました。
熟練した技術を持つ実習教員から表面色の収穫適期の色をカラーチャートを用いて指導を受けた後、実際にほかの教員や生徒が収穫し、これを非破壊糖度計で計測することにより、技術の継承を図るという試みでした。
当初は、実習教員が示したカラーチャート5番6番のリンゴではなく、カラーチャート4番の赤色が薄いものも収穫してしまいましたが、試行錯誤を繰り返すうちに、日光の当たる樹の外側、上部から着色することを体感できるようになり、果実に当たる直射日光にも左右されず正しい果実を収穫できるようになりました。
一方、実験の結果、果実の糖度と果実色との間には高い相関性が見られず、食味試験をしても糖度と食味との高い相関性は見られませんでした。このことから、食味に影響するのは糖度だけではなく、熟度であることがわかりました。
また、果樹担当教員が岩手県盛岡市にある農研機構農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所リンゴ研究拠点において研修を受けてきた結果、果樹果実の熟度に影響するのは果実の表面ではなく、その下にある地色と言われる部分のクロロフィルの量であることがわかりました。このクロロフィルは渋みを感じさせるものでありました。
収穫時に表面色だけでなく地色の判定をする必要があると考えられるほか、糖度でだけではおいしさを測ることができないことが分かりました。今後、研究の方法からもう一度見直し、熟練した技術の継承を図るための方策を検討していきたいと思います。
今年度の研究成果をまとめたリーフレットは、下のリンクに示したPDFファイルです。県内各農業高校を始め、関係機関等にお送りしましたので、御覧いただければと思います。
特にありません。
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